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■ 第2回WGHウルトラチャレンジ 第2回練習会 2009.09.20
第2回WGHウルトラチャレンジ練習会は、9月20日(日)、5連休のシルバーウィークのさなかに、皇居で行なわれました。
心配された台風の影響もなく、朝から快晴! 湿度も低く絶好のラン日和です。
朝8時受付。HPで応募してきた一般参加の方々にTシャツが配られました。
(WGHウルトラチャレンジ練習会では、練習会に2回以上参加されアンケートにお答えいただけた方に、ニューバランス製、ウィグライプロオリジナルTシャツがプレゼントされます。)
ランナーの多い皇居でも一目でウルトラチャレンジ練習会の参加者だということがわかります。ほとんどの方がこのTシャツを着て実技に参加しました。
●実技練習:8:40~11:30
・講師: 越智 利国コーチ
・テーマ:「基礎的なカラダづくりのための2時間LSD」(皇居)
●座学レクチャー: 12:00~12:50
・講師: 順天堂大学スポーツ医学教授
桜庭景植先生
・テーマ:「マラソントップランナーの四方山話」
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■ 実技練習
第2回の実技の練習テーマは「基礎的なカラダづくりのための2時間LSD」。まず、講師の越智利国コーチからLSDの効果について説明がありました。
LSDとは、いうまでもなくLong Slow Distance(長く、ゆっくり、走る)こと。
LSDと言えば、浅井えり子選手を育てた故佐々木功氏の考案した理論として有名です。佐々木氏はLSDを練習に取り入れることで、大学時代に5000メートルを18分切れなかった浅井選手をオリンピックランナーにまで育てました。
ゆっくり走ることで、毛細血管の面積が広がり、酸素をムダなく取り込める。その結果、血流がよくなり、筋肉がより動かしやすいカラダになっていくのです。また、フォームを意識した走りをすることができるのもLSDの効果の一つです。
越智コーチからは「ランニングフォームには個人差があります。よいクセは残し、効率の悪い部分は、改善に取り組みましょう」との提言がありました。それにはまず、自分のランニングフォームを把握する必要があります。そのとき目安となるのが「身体を捻って一直線上を走るのか、捻らないで二本の平行線上を走るのか」という点です。
「身体を捻らないで骨盤(おへそ)を正面に向けたまま、二本の平行線上を走るのは、LSDやウルトラマラソンに向いています。このとき、中心はおへその下辺り(丹田)になります。一方、身体を捻って骨盤(おへそ)が左右に向きながら、一直線上を走るのは、フルマラソン以下の距離のスピードランニングに適した走り方。中心はみぞおち辺りになり、ストライドが広がるというメリットがあります」と越智コーチ。
越智コーチ自身、元々は身体を捻る走法でしたが、ウルトラマラソンを走るにあたり、身体を捻らない走法をLSDでマスターしたそうです。
次に、腕ふりについて。 「肘を90度より鋭角にしたほうが早くふることができます」と越智コーチ。 90度より鋭角にして腕をふることは、ピッチを維持したり、ラストスパートをかけるときにもリズムよく腕をふれるので有利になります。逆に、背中や肩、腕など上半身の筋肉が弱いと、レース後半やスパート時に腕がふれないため、スピードダウンにつながってしまうそうです。そう、ランニングに必要な筋肉は下半身だけじゃないんです。
また、肘を曲げるというと、肩(肩甲骨)があがってしまう人がいますが、肘を出来るだけ肩から遠くふるようにすると、肩が上がりにくくなるとのこと。腕ふりがきちんとできているかどうかのポイントは、左右の握りこぶしが同じ高さになっているかどうか。こうすれば、鏡のないところでも、自分の腕ふりをチェックすることができます。
「まず、自分が身体を捻るタイプか、捻らないタイプなのか、どちらか自覚することから始まります。ゆっくり走るLSDの練習は余裕があるはずですから、自分のフォームを意識しながら走ってみましょう」という越智コーチの言葉に、チャレンジャーを始め、参加者は熱心に耳を傾けていました。
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走る前にストレッチをしましたが、「長時間同じ姿勢で仕事をする人や、乗り物での移動時間の長い人は身体(筋肉)が硬くなりやすいので、注意が必要です」と越智コーチ。
自分の身体(筋肉)の硬さをチェックするポイントは、練習やレースの前に前屈をしてみて、走り終わった後にもう一度前屈をしてみること。こうすることで、腿の裏側の筋肉やお尻の筋肉の柔軟性を自分でチェックすることが出来るのですが、練習後に硬くなっている人は特にストレッチングが必要だそうです。
また、腿の裏側の筋肉はランニングで硬くなりやすい筋肉。ここが硬くなると腰痛などランニング障害の原因になりますし、歩幅も狭くなるためパフォーマンスの低下の原因にもなります。しかし、越智コーチ曰く「じっくりストレッチングに取り組めば柔軟なランニング向きの筋肉を獲得できます」とのことですので、自分は身体が硬い、と諦めずにストレッチングも丁寧に取り組みたいものです。
スタート前にウィグライプロを1袋飲み、9時15分過ぎに、いよいよLSD開始! 設定ペースはキロ6分。皇居を4周するとちょうど2時間となります。
1分でも休んでしまうと筋肉が回復してしまうため、1周毎の給水は短時間で、というアドバイスがありました。給水はもちろん日清ファルマさんのウィグライウォーター。甘くなく、飲みやすいスポーツドリンクです。給水用にマイコップ、マイボトルを用意してきた参加者も。これからのランナーは、やっぱりエコ意識も高く持っていたいものです。
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さて、LSDですが、最初はみな、キロ6分ペースでゆったりとスタートしたのですが……ウルトラの女王・櫻井教美さんを始め、スピードに物足りなさを感じた方々が、ラスト1周ではキロ4分弱というペースにまでスピードアップ。「久しぶりに気持ちよく走り終えた」という女王の言葉も。キロ4分のどこがLSDなのか…という声も聞こえてきそうですが(笑)。一方で、キロ6分ペースできっちり2時間で走るマイペースの参加者ももちろんいましたよ!
全員が走り終えた後、越智コーチから「長時間走っていると、左右の腕の振りが乱れたり、猫背になったりする人が多いのが気になります。酸素をたくさん取り込めるように胸を張って走るようにしてください」というアドバイスもありました。
長時間正しいフォームを意識して走り続けるというのは、想像以上に難しいことです。越智コーチ曰く「トップランナーであっても、ジョグで正しいフォームで走れている人は少ない」とのことですが、そんな中でもウルトラ女王・櫻井教美さんはキロ6分のジョグペースでもキロ4分のレースペース(ウルトラの、ですよ!)でも、フォームが乱れることない完璧さだそうです。
短距離に比べ、長距離はフォームの完璧さはそれほど追求されないように思われますが、超長距離のウルトラランナーがペースの速い遅いに関わらず完璧なフォームであるということを考えると、正しいフォームを身につける、意識することが、ウルトラ完走への確実な1ステップなのだということが改めてわかりました。
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■ 座学レクチャー
順天堂大学スポーツ医学教授 日本陸上競技連盟 医事委員会委員
桜庭景植先生
「マラソントップランナーの四方山話」
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順天堂大学スポーツ医学教授 |
栄養学レクチャーを受ける皆さん |
実技を終えたあとは日清ファルマ社に戻り、着替えを済ませて、12時から座学レクチャーへ。
講師はメディカル指導者・桜庭景植先生。順天堂大学スポーツ医学教授、日本陸上競技連盟医事委員会委員でもあり、日々多くのトップランナー、トップアスリートと接していらっしゃる方ながら、開口一番「私自身はまったく走りません。走ると死ぬ気がします」と挨拶されて、参加者を笑わせてくれました。
この日のテーマは「マラソントップランナーの四方山話」ということで、一般には聞けない貴重な話をたくさん聞くことができました。
まずは、このWGHウルトラチャレンジで、チャレンジャーにどのようなメディカルサポートをしているのか、という説明がありました。
最初に昨年のチャレンジャーの方々の身長、体重、BMIなどのデータがスライドで紹介されたのですが、だいたいBMIは22.4〜20.0の方ばかり。
桜庭先生曰く「私が日々接するマラソンランナーはもっと細い人が多いのですが、ウルトラランナーは中肉中背の方が多いのは一つの特徴です」とのこと。
また、チャレンジ期間中、BMIの値がほとんど変化しなかったこと(つまり体重が落ちなかったこと)も興味深いです。走行距離は多い人でチャレンジ前の2倍に増えるなど「かなり走り込んでいるはずなんですがね」と桜庭先生、またまた笑わせてくれましたが、体脂肪率はやや下がっています。
前回、栄養アドバイザーの関根豊子先生から「トレーニングと食事の両方でウルトラマラソンを走れるカラダを作る」というお話もありましたが、このことは両者のバランスがうまく行ったということの証でもあります。
チャレンジ前と後でいうと、膝を伸ばす筋肉「膝伸展筋」の筋力が増えた、というのも特徴だそうです。
よく「カラダが10年若返った」などといいますが、スポーツ医学的にはこの筋肉の値がよくなることを目安にするそうです。
走るときにとても重要な筋肉なので、この値がよくなるというのは、まさにチャレンジャーの方の走り込みの成果といえるのではないでしょうか。若返りなんて、うらやましいですね。
チャレンジャーの方には、練習前に血液検査、尿検査、そして女性には骨塩量測定などのメディカルチェックが行なわれるそうですが、「長距離選手はこうした検査をいやがらずにやる人が多いです」と桜庭先生。数値でコンディションが一目瞭然にわかってしまうのは、ドキドキしますが、自分のカラダと対話し続けながら闘う長距離選手にとっては避けて通れないこと。
こうしたことをいとわないことも、ウルトラチャレンジャーには必要な特性なのかもしれません。
次に、疲労骨折についての話がありました。
疲労骨折とは、ごくごく小さな外力がかかって、みしみしとひび割れのような微量骨折をしてしまうこと。
ランナーに多い、足の甲を痛める中足骨の疲労骨折は昔は軍隊に入隊したばかりの新兵の足に生じたことから「行軍骨折」と言われていました。
疲労骨折を起こすピークは16〜17歳頃、高校生がMAXだそうですが、レベルの高い練習をしている選手に多いそうです。
走り込んでいる冬〜春の時期になる人が多いとか。
疲労骨折は痛みを感じてから2〜4週間後にならないとレントゲンには映ってきません。
お正月の箱根駅伝を目指す選手が12月上旬に「すねが痛い」と言うような場合は要注意。レントゲンには映りこんでこないため骨シンチグラフィーやMRIなど特殊な検査をするそうです。
疲労骨折になってしまうとまずはトレーニングは中止。手術をしなくても自然に骨が回復する場合もあるそうですが、1カ月以上はまともに走ることができません。
けれどもその間、筋肉を訓練させるため筋トレをしたり、プールで長時間歩いたりということをするアスリートもいるとか。
競歩の山崎勇喜選手は10mプールを5時間歩いたといいますが、本当に長距離系の選手は忍耐力があります。
すごいのは、一流選手になると疲労骨折でも「勝って」しまうこと。
土佐礼子選手はかかとなどを疲労骨折しながら2003年の名古屋国際女子マラソンで優勝し、翌年のアテネ五輪の代表選手に選出されています。
高橋尚子選手はなんと肋骨を疲労骨折した経験の持ち主。肋骨なんて普通はランナーの骨折するような場所じゃないそうです。
そんな苦悩と戦いながらも、レースでは笑顔でゴールが信条だったQちゃん。「彼女は走り終わったあとイヤな顔することなく、いつもニコって笑っていた。本当はそんな体調ではないときでも。
彼女のそういう姿が多くの人を魅了したのではないか」と桜庭先生。2005年東京国際女子マラソンでの復活Vでの歓喜が思い起こされます。(このとき肉離れをおこしてパンパンに腫れた高橋尚子選手の足もスライドで見せていただきました…あの足で優勝。一流選手はやっぱりスゴいです)。
桜庭先生曰く「故障しないランナーを作るのは不可能に近く、どんなに最大限の努力をしても起こるときはおこってしまう」とのこと。
近いところではベルリン世界陸上マラソン代表として注目されながら、出発直前に疲労骨折と診断されてしまった渋井陽子選手。
「『先生、折れてたって走ります』っていうんだけれど、ムリなんです。補欠を用意させることだって大変なんです」と桜庭先生。
そんな苦悩と隣り合わせだからこそ、一流選手のパフォーマンスは私たちを熱くさせるのでしょう。
最後にトップアスリートの特性として、下記のような人が多いとおっしゃっていました。
・ 目標設定が高いこと。「がんばります」とは言わず「勝ちます」という。
・ 人の言うことは素直に聞く。ただし、キチンと条件をつける。猪突猛進でない。
・ 意思が強い。
・ 頭がいい。ゴルフの宮里藍選手や石川遼選手の受け答えは素晴らしい。などなど。
以上、ここに書ききれないくらい貴重な話&スライドが満載の楽しくてためになる座学でした。
最後に第2回練習会参加者にうれしい特典が!
テニスやバドミントンのメーカーとして有名なあのヨネックスさんの、新ランニングシューズ試し履き会も行なわれたのです。
このシューズはタイムを狙うタイプというよりも10km〜20kmくらいの距離を安定して走るのに適したもので、6メートル上から卵を落としても割れずに、そのまま3mほど跳ね上がるパワークッションが特徴的。タフブリットだからクッションが長持ちするのもうれしい。
サイズの合った人は実技練習のLSDでも試しました。シンプルだけれど美しいカラーリングも人気でした。
実技&座学のほかに、さまざまなサプライズな特典があった第2回WGHウルトラチャレンジ練習会。
次回は高尾山トレイルランです。上級者とビギナーを分けてのスタートとしますので安心だとか。
ウルトラに魅力を感じる方、そしていっしょに走ることでチャレンジャーを応援したい方はぜひ参加してみてください。
◆第2回練習会参加者アンケート結果はこちら。
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| 第2回練習会_チームWGH_2009 |
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